①自然界における五行

五行色体表は自然界や人の状態を5つの性質に分類した東洋医学の診断法の1つで、治療をする際の指針となります。ただし、この考え方が絶対というわけではありませんが、われわれ鍼灸師を含めて東洋医学に携わる者にとって治療をする際に大変重要なものとなります。基本は五行説で書きましたように【木】【火】【土】【金】【水】となります。本日は自然界における色体表をご紹介したいと思います。
・五方:ごほう
・五色:ごしき(五臓と関係する身体各部位の色)
・五季:ごき(五臓の働きが亢進しやすい時期)
・五能:ごのう(季節の役割)
・五気:ごき(五臓を傷つける気候)
・五臭:ごしゅう(五臓の症状により発する体臭)
・時間(五臓が活発になる時間帯)

■ 五行:木に属する五臓は【肝】

五方 東:太陽が昇る方位
五色 青(緑):肝と関連があり、皮ふが青色(緑)の場合、肝の症状が疑われる(怒って額に青筋立てるなど)
五季 春:肝の働きが亢進しやすい
五能 生:春(肝)は、草木が芽生え、動物が生まれる
五気 風:肝を傷つける
五臭 臊(そう):肝の症状はあぶらくさい臭い(羊肉の臭い)
時間 朝:肝が活発になる

■ 五行:火に属する五臓は【心】

五方 南:太陽が高く昇り暑さが強くなる方位
五色 赤:心と関連があり、皮ふが赤色の場合、心の症状が疑われる
五季 夏:心の働きが亢進しやすい
五能 長:夏(心)は、動物が成長し、植物が花を咲かせ実を付ける
五気 熱:心を傷つける
五臭 焦(しょう):心の症状はこげくさい臭い(肉の焦げる臭い)
時間 昼:心が活発になる

■ 五行:土に属する五臓は【脾】

五方 中央
五色 黄:脾と関連があり、皮ふが黄色の場合、脾の症状が疑われる
※黄疸の可能性もあるので注意が必要
五季 長夏:脾の働きが亢進しやすい(季節の変わり目、土用のことを指します)
五能 化:長夏(脾)は、土用のことを指し、季節の変わり目で徐々に変化をしていく
五気 湿:脾を傷つける
五臭 香(こう):脾の症状はあまい臭い(きびの甘い香り)
時間 午後:脾が活発になる

■ 五行:金に属する五臓は【肺】

五方 西:太陽が沈む方位
五色 白:肺と関連があり、皮ふが白色の場合、肺の症状が疑われる
五季 秋:肺の働きが亢進しやすい
五能 収:秋(肺)は、動物が減り、食べ物を収穫する
五気 燥 (乾燥):肺を傷つける
五臭 腥(せい):肺の症状はなまぐさい臭い(生魚の臭い)
時間 夜:肺が活発になる

■ 五行:水に属する五臓は【腎】

五方 北:太陽が隠れて寒冷が強くなる方位
五色 黒:腎と関連があり、皮ふの色が黒色の場合、腎の症状が疑われる
五季 冬:腎の働きが亢進しやすい
五能 蔵:冬(腎)は、動物は冬眠し、収穫した食物を貯蓄する
五気 寒:腎を傷つける
五臭 腐(ふ):腎の症状はくさった臭い(腐敗臭)
時間 夜中:腎が活発になる

 

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