②飲食物における五行

五行色体表は自然界や人の状態を5つの性質に分類した東洋医学の診断法の1つで、治療をする際の指針となります。ただし、この考え方が絶対というわけではありませんが、われわれ鍼灸師を含めて東洋医学に携わる者にとって治療をする際に大変重要なものとなります。基本は五行説で書きましたように【木】【火】【土】【金】【水】となります。本日は自然界における色体表をご紹介したいと思います。
・五果:ごか(五果は栄養の補助となる5種類の果実のこと)
・五菜:ごしき(五菜は五味に基づく5種類の野菜のこと)
・五畜:ごき(五畜は人体に役立つ5種類の肉のこと)
・五穀:ごのう(五穀は心身を養う5種類の穀物のことである)

■ 五行:木に属する五臓は【肝】

五臓
五果 李:すももは肝の栄養の補助となる
五菜 韮:にらは肝の栄養の補助となる
五畜 鶏:肝の栄養の補助となる
五穀 麦:むぎは肝の栄養の補助となる
食物 肝を栄養する食べ物
五味:(すっぱい) 梅干し、柑橘類など
五色:(緑) ブロッコリー、にら、小松菜、春菊など
五季(旬な食物):(春) 菜の花、春キャベツなど

■ 五行:火に属する五臓は【心】

五果 杏:あんずは心の栄養の補助となる
五菜 薤:らっきょうは心の栄養の補助となる
五畜 羊:心の栄養の補助となる
五穀 稷:黄色いきびは脾の栄養の補助となる
食物 心を栄養する食べ物
五味:(にがみ) ゴーヤ、パセリ、緑茶など
五色:(赤) トマト、ニンジン、クコの実など
五季(旬な食物):(夏) きゅうり、なす、オクラ、ピーマンなど

■ 五行:土に属する五臓は【脾】

五果 棗:なつめは脾の栄養の補助となる
五菜 葵:あおい科(ふゆあおい)は脾の栄養の補助となる
五畜 牛:脾の栄養の補助となる
五穀 稲:いねは肺の栄養の補助となる
食物 脾を栄養する食べ物
五味:(あまい) 穀物類、黄色柑橘類
五色:(黄) トウモロコシ、イモ類
五季(旬な食物):土用 (長夏)
春の土用(戌の日) いわし、イチゴ、豆腐など
夏の土用(丑の日) うなぎ、うどん、梅干しなど
秋の土用(辰の日) さんま・サバ(青魚)、玉ねぎ、大根など
冬の土用(未の日) ひじき、トマト、リンゴなど

■ 五行:金に属する五臓は【肺】

五果 桃:ももは肺の栄養の補助となる
五菜 葱:ねぎは肺の栄養の補助となる
五畜 馬:肺の栄養の補助となる
五穀 稲:いねは肺の栄養の補助となる
食物 肺を栄養する食べ物
五味:(からい) 生姜、ねぎ、にんにく、唐辛子など
五色:(白) 大根、白菜、白ごま、豆腐など
五季(旬な食物):(秋) かぶ、カリフラワー、れんこんなど

■ 五行:水に属する五臓は【腎】

五果 栗:くりは腎の栄養の補助となる
五菜 藿:まめの葉は腎の栄養の補助となる
五畜 豚:腎の栄養の補助となる
五穀 豆:まめは腎の栄養の補助となる
食物 腎を栄養する食べ物
五味:(しおからい) しいたけ、イカ、エビ、海藻類など※ミネラルが豊富な食物
五色:(黒)黒ごま、黒豆、きくらげなど
五季(旬な食物):(冬) ゴボウ、せり、ふきのとうなど

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次回は次回は飲食物における色体表をご紹介したいと思います。

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