東洋医学の考え(湿邪)

【東洋医学の考え方】

東洋医学では①風・②熱さ(暑さ)・③湿度・④乾燥・⑤寒さなど季節や環境が病気を発症する原因の1つと考えられています。
これら5つの環境による原因を『外感病因(がいかんびょういん)と呼び、『①風邪(ふうじゃ)』『熱邪(ねつじゃ)=②火邪(かじゃ)+③暑邪(しょじゃ・夏限定)』・『④湿邪(しつじゃ)』・『⑤燥邪(そうじゃ)』『⑥寒邪(かんじゃ)』の六邪(六つの外邪)に分類されます。
また、生活習慣も病気を引き起こす原因と考えられています。
このことを『内傷病因(ないしょうびょういん)』と呼び、『疲労』『暴飲暴食』・『ストレス』など様々な原因が考えられます。

外感病因 六邪:①風邪(ふうじゃ)、火邪(かじゃ)、③暑邪(夏限定)、④湿邪(しつじゃ)、⑤燥邪(そうじゃ)、⑥寒邪(かんじゃ)
内傷病因 生活習慣:疲労、暴飲暴食、ストレスなど

湿邪(しつじゃ)の特徴

湿邪は「長夏(ちょうか)」に出現する邪気になります。
中国では夏と秋の間の暑くて湿度の高い時期を長夏とし、体調を崩しやすくなるとされています。
日本では「梅雨」の時期にあたり、多湿な環境での生活は湿邪が人体に侵襲しやすくなると考えられています。

(1) 重濁性(じゅうだくせい)
重濁性は重と濁に分類され、それぞれ症状が異なります。
重→重い又は重く付着するという意味があります。
濁→濁るという意味があります。このため、排泄物や分泌物が汚れて濁った状態になります。

<重の症状>
頭や身体が重い・四肢がだるいなど

<濁の症状>
目やにが多い、粘液便、小便混濁、帯下(たいげ(おりもの))など

(2) 粘滞性
粘滞性は、ねっとり粘りがあり、動きずらいという特徴があります。

<症状>
排泄や分泌物がスムーズに行われない・感覚の異常・関節の痛みなどのがおっくう))・脱力感・精神疲労など

(3)下注性(げちゅうせい)
下注性は、下に向かう、下に注ぐという特徴があります。

<症状>
下痢・下肢の浮腫・排尿障害・帯下など

(4) 脾を損傷しやすい
東洋医学では、脾は水分代謝を行っているため、湿邪に侵されると痰湿(代謝異常のため、余分な水分や脂肪が体内に溜まりやすい状態)が生じやすくなります。

<症状>
胸悶・胃のつかえ・すっきりと便が出ないなど

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